10月の蘭展は麻生区の区民祭に合わせて毎年行っておりますが、2009年のお祭りは27回目となります。当会が第1回目から参加していたのか断定はできませんが、私の知っている限り毎年続けての参加ですのでこの蘭展も25回以上になるのではないでしょうか。考えてみればこの蘭展は随分歴史があるのです。搬入の8日金曜日夜は少々雨に合いましたが特別支障もなく、9日・10日はお天気に恵まれ順調に蘭展は終わりました。会場作り・撤去作業は皆様毎年のことで慣れていらっしゃるのか全員力を合わせて、とてもスムーズにできました。いつもながら会員の結束力の強さには驚きます。この秋の蘭展は例年10月の例会をも兼ねて開催しております。昨年までは出品株数がどの程度集まるかと多少心配しました。ところが今年はなぜかのんきにかまえてしまい、まったく成り行きまかせでしたが90株の出品がありました。結果大中小様々な株がバランスよく集まりゆったりとしたディスプレイができ、とてもきれいに見えました。嬉しい限りです。
さて展示株はカトレア系48株、ミルトニア・オンシジューム系13株、バンダ系7株、ファレノ系5株、デンドロ系3株、パフィオ系2株、その他12株でした。相変わらず当会はカトレア系の数が圧倒的です。今年目立ったのはバンダ系が多かったことです。最近例会でもバンダは良く見かけますから、会員の多くの方が保有しているのでしょう。 良い作りで感心させられたものが数点ありました。まず、石田さんのLnt.(Lealiantheレリアンセ)Wrigleyi ‘Blue Heaven’で6ステム高さがそろって正面咲きでとてもきれいでした。他に野見山さんのGur.(グアリアンセ)bowringianaも5ステム高さがそろってバランスが良く、安藤さんのC.perinii tipoはぐるりと上手に正面咲きをさせていてとても華やかな感じをうけました。periniiの属名はL.からS.になりC.に変わりました。作りの面白さとしては山田さんのPry.(Prosrhyncholeyaプロスリンコレヤ)Emerald Valleyでコルクの板付けで2ステム上がっており、1年間の水遣りがさぞや大変だったと思われます。最近の属名改変でこの属名は今だに覚えるのに苦労させられますが、この属はかってはYamadaraで次はMeasuresara今度はProsrhyncholeyaになりました。この品種の片親はRlc.(リンコレリオカトレヤ)Memoria Helen Brownですのでスペードリップ(リップがスペードの形)は親の血を受け継いでおります。その他、斉藤(美)のC.(S.)cernuaは3寸鉢4バルブでとてもよく育っておりました。 次に個体として目を引いたものとして関口さんのC.(Lc.)CG.Roeblingは紫色が濃くまた、石田さんのC.labiata fma.coeruleaは花色のコントラストが良く美花だと思いました。育てて面白いと思えたのは浅田さんのHabenaria medusaeです。可憐ですが花命は長そうです。
蘭展では普段の例会ではなかなかお話できない人々と蘭談義が沢山できたと思います。また、蘭友の秘められた魅力の発見もあったのではないでしょうか。ゆっくり眺められるおかげで蘭の美しさ・作り方の工夫・仕立て方等通常の例会より多くを勉強できました。美味しいお弁当と沢山の差し入れもあり、今年も充実した気持ちの良い蘭展ができました。