9月例会入賞花
蘭の花をうまくつくるコツなんて誰にもわからないんです。
まあ、研究を重ねている人で水遣りのときには絶対ただの水はやらない、っていう人もいますけど、ほとんどの人はそんなことできない。だけど、永年作っているうちに持っている株が合う環境がわかってきて段々よくなってくるものなんです。
今月は、はちのへ洋蘭園 松原さんにお越しいただき、【今、デンドロビウムが熱い!】をテーマに、お話をしていただきました。
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1位 Habenaria medusa
石田 和子
4年ほど前のオーパ蘭展の賞品です。この株は花が咲き終わると葉も自然に枯れてしまうので、その後は棚下に置き、新芽が出てくるのを待ち、新芽が出てからは水と肥料(おまかせ)を与えました。今年は松原さんからのご指摘を頂きましたように植え替えてみたいと思っています。
2位・栽培賞 Den.Hibiki
成田 英一
平成25年11月の例会時に広田さんから購入した株です。原木に植え付けた経過と注意事項は昨年の9月会報に書いてありますので見てください。今年は本株も含め、他の株もほとんど肥料も消毒もやっていません。
3位 Den.Jacquie Stocker
小佐野 滋子
chrysopterum と lawesii の交配で丈夫で花持ちが良く、花色はバリエーションに富み、実生を育てるとなかなかの楽しみの多い花です。今年は蕾が早く上がってきて8月の暑い中咲き始めてしまいました。暑さのせいか、花の展開に力がなく、昨年の11月に咲いた花に比べ、一回り小さい期がします。肥料は薄い液肥のみで、水は多めに与えています。
小型1位 Bulb.biflorum fma.album ‘Kuchin Magic’ CHM/JOGA
小佐野 滋子
bifrolum とは二つの花、という意味だそうです。草花にもこの名前が付いた花がありますが、黄色い可愛らしい花が2つ、1ケ所から出ています。この株は2年前、可愛らしい花のバルボを捜している時、蘭屋さんが勧めてくれた株の一つです。バルブが丸くなく、四角錐の底をつぼめたような形をしているのが特徴的です。
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◆例会の株から
Den.Hibiki
人気投票2位のデンドロビウムのプライマリ交配種です。
まず、両親をご覧ください。
左がDen.bracteosum、右がDen.laevifoliumです。写真のlaevifoliumは日本でも最も大きなサイズの株でしょう。この両親のよいところだけとったヒット交配種です。とにかく花がながもち!
人気投票で2位入賞した株と、ほかの出品株を比べてみました。入賞株と比べ、花が葉に隠れて見栄えが悪くなってしまいました(右側)。水もよくやり、環境がよいところで育てると株は大きくなりますが、残念ながら花が隠れてしまいます。少し日照が足らなかったようです。左のように爛漫に咲かせるにはかなり充分に日を当てる必要があります。冒頭に松原さんの名セリフを載せましたが、このよくできた入賞株のHibikiは、この夏、忙しくて何も世話をしなかったそうです。
しかし、良い日照条件で、水遣りも普段から充分な環境に置くだけ、ということであったのでしょうね。コンポストなしで流木に活着しているとは、ふんだんに灌水ができているのだと思います。すなわち、株が好む環境を理解し、そこに置いておいただけ、ということだったのでしょうか。
Aeranthes ramosa
色が濃くて良い個体!しかしながら、仕立て方が残念な結果という講評をいただきました。
『自然状態と同じように高い所に株を吊って、ステムを下に垂らして咲かせてみてください。ステムは花がどんどん咲くので切らない。何本も花を垂らすと素晴らしいですよ!』
しかしながら、栽培場所がなかなか…。ただ、何でもかんでも支柱を立てずに自然に仕立てる、というのは参考になりました。
Christensonia vetonamica
川崎洋蘭クラブではこのような色の花は大人気。これも花が長い間咲くそうです。
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デンドロビウム原種のプレゼンテーションをしていただきました。デンドロビウムは2年に1回ずつ、東京ドームでグランプリをとっていますよ!新たな栽培にチャレンジ!