2023/5/28 日曜日

ラン科特有のグレックス名

Filed under: 蘭の豆知識 — admin @ 0:09:20

種、品種、原種、交配種、、、この手の用語の使い分けや正しい意味については意外と曖昧な方も多いのではないでしょうか。ラン科の交配種名は実は正確には品種名ではありません。「品種名」とは交配種のうちその優秀な形質が固定化された系統(子孫にも同じ形質が高確率で受け継がれる)もしくは優秀な個体のクローン群などを指します。具体的にはブドウの’シャインマスカット’やトマトの’桃太郎’などです。これらは品質が極めて揃っており他の品種とは明確に異なる性質も持ちます。

これに対してラン科の交配種の名前は「どの様な交配の組合せか」によってのみ決まっています。なので当然、同じ交配種名でも個体によって 様々な花を咲かせます。例えばPaphioprdilum属のmicranthum とdelenatiiを交配したものをMagic Lanternと呼びます。これは両親にどんなmicranthum やどんなdelenatiiを使用してもMagic Lanternと呼びます。このようにあくまで「交配の組合せ」に対して使用する名称の事を「グレックス名」と言います。なのでRHSなどの検索サイトでも品種名検索ではなくグレックス名検索となっているのです。またそのグレックス名の中でも優れたものには個体名を与えます。当然その個体を株分けしたりメリクロンした場合にも同じ個体名なので、ラン界隈の個体名は世間の品種名に近いともいえるかもしれません。

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