川崎洋蘭クラブ

蘭の雑学①

実生・メリクロンってな~に?
 
 
 蘭を増やす方法には、現在のところ次の3つの方法が用いられています。
 
まず一つ目が、皆さんよくご存知の 『株分け』 による方法。
そして、他属間交配やら同属内交配、シブリング・クロス等の実生による方法と、最後に大量増殖のメリクロンの合計3種類です。
さて、ではこれらの方法を一つづつ説明していく事にしましょう。
 
まず始めに『株分け』による方法についてですが、この方法ですと確実に目的の花と同じ花を咲かせますので、一番てっとり早く簡単な増殖方法ではあります。
ですが、優秀な花を咲かせるオリジナル株やら、最新の優秀花は非常に高価なため、それを入手するのはとても一般的ではありません(高価なものは数百万円を出しても入手困難です)。
 
そこで、古くから行われている方法として、『実生(みしょう)』 による増殖方法があります。
実生とはどう云うものかと申しますと、簡単に言って、花の雄蕊=花粉を雌蕊に着けて交配する方法で次の二つがあります。
①自らの株だけで行う自家受粉(『セルフ』と呼んでいます)による増殖
 この方法は、特に希少な原種を用いて行う事が多い。ある程度、親に近いレベルの花を咲かせる事が多いため、非常によく行われるクロス(交配)です。
 
②違った株の花で交配する増殖
 この方法は、蘭の新花作出には欠かせない方法です。例えば、カトレヤ属とレリヤ属を交配して、新しく人工的に(・・・自然交雑種もあるが)レリオカトレヤ属を作出したりします。
 
また蘭の世界では、現在、同品種による交配(シブリングまたは、シブリング・クロス=兄弟同士)が盛んに行われており多くの実生苗が市場に出回っています。
 
このシブリングの特徴は、レベルの高い親同士での交配が多いため、時に両親を超えた素晴らしい子供の出現があります。これがあるので、多くの趣味家はこぞって良親を手に入れて、良花作出に躍起になる訳ですね。
ただし、この方法は原種のセルフ(交配)とは違って、親とは似ても似つかない低いレベルの個体が出現する事が多くあるのも事実です。
 
また、最近では、このシブリング・クロスを、交配の進んだ交配品種でも行う事が少なからず出てきました。もっぱら原種の改良のために用いられていたこのシブリング・クロスを、交配種でも用い親を超える良個体の出現を夢見た事によるものですが、その流通量はまだ僅かのようです。
 
交配種の中には、一代交配・二代交配・・・・と云う言葉が出てきますが、これは、原種同士を交配した一代雑種を『一代交雑種』=一代交配と言っています。そして、その一代交雑種同士を更に交配した雑種、又は一代交雑種と原種とを交配した雑種を『二代交雑種』=二代交配といっています。
(なお、昔は原種による戻し交配は、新品種としての登録は出来ませんでした)
 
以上2つの増殖方法は、咲かせてみなければ何が咲くのか分らないと云う、不確定要素の多い増殖方法ですが、数十年前に、優秀花を簡単にしかも大量に増殖する方法が確立されました。それがメリクロンと云う方法です。
これは、カトレヤなどの生長点を培養して無数に増殖出来るため、高価なオリジナル株と同じ花を安価で大量に増殖が可能となりました。
この発明によって、昔、高価だった洋蘭が誰でも安価で簡単に入手出来るようになり、そのステータスを失ってしまった、と云う皮肉な事実あります。
なお、パフィオペディラムのオリジナル株が高価なのは、このメリクロンでの大量増殖が不可能(数株のみ増殖が可との事です)のためです。

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